大阪の友人と合流し、とりあえずヤクスギランドに今日中に行きたいと伝えると、友人もそうしようと言ってくれた。
まずは、登山用具をレンタルするためにいったんフェリーの到着した宮之浦まで戻る。
友人が予約しておいてくれたホテルもこの界隈だったので、チェックインも済ませておく。
それらを済ませて、ヤクスギランドを目指す。
1時間20分ほどの道ゆきは、いつもどおり話に夢中・・・いったい何の話をしていたのかは、とにかく話題がとんでゆくので断片を思い出せればいいというほど。
今は思い出せなくとも、いつか何かの拍子に思い出すことがあるので、そのときを楽しみに待つしかない。
途中、へたくそな運転に突っ込みを入れられつつ無事にヤクスギランドへ到着。
ヤクスギランドなんてまるで遊園地のような名前だが、屋久杉自然休養林とパンフレットには書いてある。
江戸時代に大量に屋久杉が伐採された林だそうで、その大きな切り株からまたさらに若木が育っている様子を観察することが出来るとパンフレットに紹介されていた。
夕暮れと呼ぶにはまだ早い時間だったけど、いろいろな喧騒が聴こえてくる海岸線とはまるで違い遠くで水の流れる音だけが聞こえてくる。
暑いほどの日差しもなんだか心なしかひんやりする。
登山に入るにはもう日が落ちすぎていたのかもしれないけど、軽く30分か50分のコースをぐるっと回るくらいなら大丈夫だろうと入り口で森林環境整備推進協力金300円を支払って、ときめきの経に足を踏み込む。
吸い込んだ空気のひんやりした感触が森へやって来たと感じさせる。
くぐりヅカと呼ばれているらしい大きな木の股を通ってまた少し森に足を踏み入れる。
ヤクスギランドと言う名前のイメージから散策路は平坦な道だと思っていたけれど、これが結構上下している。
今から歩く散策路が下に見えたり、上に見えたりする。
頭の上には木が生い茂っているので、守られているような気分になる。
なんだかとっても静かな気持ちになったんだよなあ。
とは言うものの、おしゃべりはずっと続いていて、私たちの声が森の中に響いている。
結構大きな声だったけれど、なんの問題もなく進めたのは、森が私たちの話を楽しんでいたからかもね・・・なんて思ってみたりした。
ヤクスギランドの30分、50分コースはサンダルやぞうりでもヤクスギを散策できるのが売りなので、散策路も整備が行き届いていて本当に歩きやすかった。
眺めておきたい屋久杉をきちんと見学できるように散策路は作ってあるので、パンフレットどおりに名前がつけられた屋久杉を見て回れた。
ここなら少々の雨でもゆっくり散策できるのではないかな。
どこもかしこも写真で見たことのある屋久島の風景で、どうしても残しておきたくてたくさんデジカメのシャッターを切ってしまった。
後から思い出して、思いっきり観光客だったよなあとかなり反省。
友人はあきれていたかもしれないな。
江戸時代に伐採された大きな屋久杉の切り株の上に新しい屋久杉が根を下ろしている。切り株更新と言うそうだ。
木というのは人間なんか足元にも及ばないくらい長い時間を生きている。
この切り株の上の比較的若い屋久杉だって私の年齢よりはるかに年上なんだ。
彼らは何も言わずにずっとここにいてゆっくりと年齢を重ねるんだね。
そんなことを考えていたら、『ロード・オブ・ザ・リング』に出てくる大きな木の精を思い出した。
今ここで洪水が起きたら、この屋久杉たちが抱き上げてくれそうだよねなんて友人と話した。
仏陀杉という大きな屋久杉の足元まできたら、看板があった。
きちんと柵が設けてあるのに木の根元までみんなが踏み込んで写真を撮るために弱っているらしい。
確かにちょっと痛々しい。
そんな近くに寄ってしまったら、仏陀杉が大きすぎて何の木のそばで写真を取ったのか解らないのにね。
あまりに快調に歩が進むので、いきおいあまって80分コースに足を踏み出しかけたのだけど、日暮れのことを考えて江ぐっと我慢したのだった。
かなり水の音は大きいのだけど、それがうるさいとはちっとも思わないのが不思議だ。
森の中ではそれが当たり前だとなんとなく思っているからかもしれない。
それから、自分たち以外にほとんど人がいないのも関係していたかもしれない。
翌日の白谷雲水峡よりもヤクスギランドのほうが屋久島っぽかったなあと思う。
できれば、ヤクスギランドの150分コースはいつか歩きに行きたい。
浮き足立っていた気分がヤクスギランドを一周する間に少し落ち着いたような気がした。
森の力ってすごいね。
帰り道は友人の運転。
いつも旅先で会うので、二人で車に乗っていて片方が運転しているというのはとても妙な感じがするだろうなあと思っていたのだけど、これがまったく当たり前な感じだった。
帰り道に俵状溶岩という看板を見つけ、海岸に出てみた。
満ち潮だったようで水面がとても高く感じた。
普段瀬戸内海しか見てない私には、ちょっと怖さを感じるような海で、もぐってみたいなとはちょっと思えなかった。
そういえば、レンタカー会社の人が、戦争の名残の戦闘機などが沈んでいるダイビングポイントがあると言っていた。
そういうところをもぐるツアーもあるそうなので、いつかいてみたいなどとちょっと思った。
潮溜まりにきれいな黒い魚を発見、一応カメラに収めたけど、小さすぎてよく解らない^^;
それから晩御飯はどうしようかと話ながら、ホテルに向けて走っている途中で、「大衆割烹 漁火」という看板を見かけた。
"大衆割烹"という言葉が気に入ったので、晩御飯はここに行こうということになった。
メニューを覗き込んで新鮮な魚介類を次々注文する。
お刺身の盛り合わせに鯖があり、これが生なのにみがひきしまってしこしこするんだな!
瀬戸内海では生の鯖はやわらかいので、びっくりしてしまった。
それから、山芋をすって出汁(もしかしたら飛び魚だったかも)を混ぜててんぷらにしたものはふわふわなのにしっかりした食感がたまらなかった。
これは自宅でもやってみようと思う。
私が一番おいしいと思ったのは鯖のお茶漬け。
だしをかけていただくのだけど、このだしと鯖の味が程よく混ざった感じがとてもたまらなかった。
こんなものを食べてしまったら、今後お茶漬けの元なんかじゃ物足りなくなってしまうんじゃないかとちょっと不安になるくらいだ。
ホテルからはちょっと遠いので、友人が車を運転してくれることになり、せっかくだから私は屋久島の焼酎を飲むことにした。
ところが、1合というのが最小の単位で、そんな量は飲んだことがないので不安だったけど・・・これがとてもすっきりしていて飲みやすく、友人がいるという気安さもありあっという間に飲み干してしまったのさ~♪
あとは・・・前日の二の舞^^;
明日は本格的に山登りだし、今夜は友人と話し込む予定だったのになあ・・・。
ほんと、お酒はほどほどにしないと・・・^;
なんだか最近酒飲みになっている気がするのだが・・・いや、気のせいじゃないのかも^^;
立派な酒飲みへの道は険しいね。
とにかく明日の登山を考えて水分をたくさん取ってはアルコール分解を促した屋久島の第1夜なのだった。
「雨が降っても」
WORDS & MUSIC BY 鈴木雄大、PLAY BY 天才トノサマBAND





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