やっとこさ、伊坂幸太郎さんの「モダンタイムス 特別版 (Morning NOVELS)」を読み終えた。
予測よりもかなり時間がかかってしまった。
ちょっと色気を出して、"特別版"を購入したためである。
これは、モーニング連載当時の挿絵もそのまま入っているやつで、表紙カバーががとてもきれいなブルーだったので、心惹かれて買ってしまったのだった。
普段、文庫本を好んで読んでいる私には、その重さと大きさが、非常にきつかった。
前回読んだ「魔王」が面白かったので、「モダンタイムス」はその続編だということだったので、どうしても早く読みたくて単行本を買ってしまったのだった。
伊坂作品は、続けて次の作品を読みたいと思えない。
とても面白いと思うのだけど、読み疲れてしまう。
そういうところは少し、スティーブン・キングの作品のようだなと思う。
伊坂作品というと。
イメージとしては、軽めの文体、極端な状況、わけの分からない会話。
面白いんだけど、読みながらちょっといらついたり、うんざりしたりする。
この作品は、「魔王」と「呼吸」という作品の続編に当たる。
「呼吸」は「魔王」の続編で、主人公の弟夫婦が主人公。
「魔王」文庫版に入っている。
「モダンタイムス」は、この2つの作品の続編で、両方の主人公が出てくる。
私は「モダンタイムス」を読んでから、「魔王」「呼吸」を読んでも別に面白さは変わらないと思う。
もちろん、先に読んでおくと多少混乱は避けられるのは確かだけど。
そう、「モダンタイムス」は、読みながらものすごく混乱した。
分からないことだらけで話が進むからだ。
今ここで、その内容を抜粋して書き出したとしても、この物語の全貌を説明するのはきっと難しい。
そして、中盤移行でいろんなことが見えてくるようになると、伊坂幸太郎という作家は、どういう頭をしているのだろうと感心の境地に達した。
この作品には、今、私が漠然と抱えている不安な事柄が、ひとつの形を成して表現してあるように感じた。
どういう順序でこの物語を伊坂氏が組み立てたのか非常に興味をそそられる。
この物語の種明かしは、そういう意味で非常に衝撃的。
彼の表現している内容だけでなく、そこで脈々と綴られている文章さえも信じていいのかどうか・・・そんな気分になる作品だ。
伊坂作品をどうしても好んでしまうのは、私の中にも彼のようなひねくれた視点があるからだろうと思う。
伊坂氏の作品では、しばしばあるひとつの視点で語られた事実や状況が、別の視点でひっくり返るという表現が出てくる。
彼の中では、すべての事象には少なくとも2面性があり、勧善懲悪な事象なんてありえないというのが大前提となっている気がする。
私もどちらかというとそういう見方をするほうなので、伊坂作品で表現される斜に構えた表現をほんのちょっと違和感や嫌悪感を感じながら楽しんでしまう。
そんな微妙なゆがみがだめな人は彼の作品は向いてないかもしれない。
そういう意味でも、伊坂作品はスティーブン・キングの作品に似ているかもしれないな。
同時期に「ゴールデンスランバー」という似たような状況の物語を彼は執筆していたそうで、このまま流れでそちらも読むと面白いらしいのだけど・・・、ひとまず休憩。
「振り向いた時そこに見える階段を数えたことがあるだろうか」
WORDS BY 秋元康、MUSIC BY 松尾一彦、PLAY BY 稲垣潤一




このエッセイにこの曲のタイトルをつける所が
貴女の凄さだとつくづく思いました。
因みにこの曲は松尾作品という事を抜きにしても
ちょっとダークな感じで当時好きでした。
投稿情報: 黄色の道化師 | 2009-01-21 21:02
>黄色の道化師さん
おほほほ、これ書いてる最中からこの曲が頭の中で流れてたのでした^^
歌詞を反芻してみたら、結構はまってるし・・・ということで選曲してみました。
私もすごく好きだった、この曲。
投稿情報: 安井文@管理人 | 2009-01-22 16:22