ふと思い出して日本テレビ系で2004年に放送された『光とともに・・・自閉症児とともに』というドラマをレンタルして見返した。
いい機会なので、戸部けいこさんの同名原作漫画も読み返す。
まあ、普段から涙もろいほうではあるのだけど、どちらも物語が進むたびに涙が止まらず・・・困ってしまった。
今回は、TVドラマ版について書いてみることに。
『光とともに・・・自閉症児を抱えて』は自閉症児 東光(あずまひかる)くんという男の子の母親が主人公の物語。
彼女の視点から光くんを取り巻く人々のドラマが描かれている。
TVドラマ版は中心となる東家の基本設定だけが原作とほとんど同じで、ドラマのクールに合わせて原作漫画の内容を抜粋し、ステレオタイプ的な設定と物語に仕上げてある。
私はドラマの放送以前からこの原作漫画を雑誌掲載分を時々立ち読みで読んでいて、自閉症がどんなものかを知った。
とても暖かい絵柄と内容なので時々立ち読みをしていたけれど、このドラマを見ようと思ったのは、武田真治君が出演すると知ったからなのだった。(所詮私はそんな人間)
自分の子である光(斉藤隆成)が自閉症であることを受け入れざるを得なくなった幸子(篠原涼子)は、夫である雅人(山口達也)や姑(高橋恵子)に"光が自閉症になったのは幸子のせいだ"という言葉のせいでやるすべもなくなる。
そんなとき、光がきっかけで知り合うことになった里緒(小林聡美)を呼び出す。
雅人の転勤で都会に引っ越してきた日、きらきら光るアドバルーンを追ってビルによじ登った光を助けてくれ、まだ光が自閉症であると知る前の幸子に"光くんはわけの分からない子ではないですよ"と言ってくれた里緒のことを思い出したからだ。
呼び出しに応じ幸子の元を訪れた里緒は、黙って話を聴いてくれた後、別れ際に"自閉症は先天的な障害で、あなたのせいではありません。"と断言する。
そして、小学校で障害児教育をしていることを幸子に告げた。
その言葉がきっかけとなり幸子は立ち直る。
光の障害を受け入れ、肩の力を抜いて光とともに生きる方法を模索し始める。
やがて、光は里緒が教師として務める七月小学校へ入学する。
光はあさがお学級という特殊学級で里緒先生とともに学校生活を始める。
健常児とも交流できるように交流教室というものがあり、桜先生(武田真治)が担任を務める1年1組がそのクラスとなった。
光の障害によるいろいろな行動に先生も子供も戸惑いながらも、幸子と里緒先生の努力で受け入れられていく。そして、そんな周りの人の気持ちが伝わっているように光も成長していく。
ドラマの中でいろいろなことが起きるたび、里緒先生は一呼吸を置いて幸子に助言する。
それはけして、幸子を直接的になだめたり慰めたりする言葉ではないのだけど、毎回、幸子に安心感を与える。
常に目の前で起こることに対して冷静でいようとする里緒先生の言動は、やがて幸子だけでなく桜先生や音楽担当の川見先生(市川実日子)にも徐々に影響を与えていく。
里緒先生は、目の前にいる光がどういうことが起きるとどんな行動をとるのかをよく見ていて、どうしたら不安を取り除けるのか、楽しく過ごせるのかを想像しては、光に対して接していた。
朴訥としたイメージの小林聡美さんは見事にこの役に嵌っていて、ドラマの大きな柱のようなイメージだった。
年齢設定が私に近く、彼女がしている服装も自分に近かったせいもあり、かなりの近親感を持っていた。
そして、目の前の誰かがパニックになればなるほど、冷静さを増す里緒先生には毎回安心感を感じていた。
こういう人になりたいなあと素直に思ってしまった。
何かあると頭に血が上ってパニックになってしまう幸子を演じる篠原涼子さんとのコンビがとても嵌っていて、物語の展開とともに2人の間に芽生える友情も微笑ましかった。
雅人を演じる山口達也くんは確かこれが始めての父親役だったのではなかったかな。
原作とはかなりイメージが違うけれど、後半の家族を思いやる父親像は彼にぴったりだと思った。
現代っ子気質でクールな桜先生は、最初、光が巻き起こすいろいろな出来事に落ち込み逃げ腰だった。
事実のみを簡潔に伝え、優しい助言などしない里緒先生のことも最初は苦手意識を持って接していたのだけど、真摯に光と向き合う里緒先生を見ているうちにだんだんと変化してくる。
それとともに里緒先生に好意も持っちゃうんだなあ~。
武田真治君はそのあたりの微妙な変化をうまく演じていて、結構シリアスな内容なんだけど里緒先生と桜先生の掛け合いが笑いを誘ってほんのり明るい色をドラマに添えていた。
光を演じた斉藤隆成くんは、この作品の前に『砂の器』で中居正広くん演じる主人公の子供時代を演じていて、そのすぐ後にこのドラマが始まって、よく顔を覚えていた。
今放送中の『流星の絆』では、光くんのまんまの顔(!)で二宮和也くんの少年時代を演じていた。
(実は結構好きな顔なので覚えていたりする。)
長い漫画を12回かそこらのドラマに仕上げるにはかなりはしょる必要がある。
内容如何によっては自閉症そのものももっと誤解される可能性もあるし、TVドラマという娯楽作品があまり重くなっても人は見ないと思うから、題材としてはどうなのだろうとは思っていた。
そんなことを考えたけれど、いざ始まってみると、ドラマ版『光とともに・・・自閉症児とともに』は心の温かくなるいい作品だった。
現実的ではない部分もあるだろうが、いろいろな問題提起がさりげなく盛り込まれていたり、先生たちも子供たちと接することで成長していく姿も描かれている。(ちょっとしたロマンスの要素もある)
そして、このドラマでは基本的に登場人物がどんな人も良心的に描かれている。
だからどんなにつらい言葉を投げつけられても、いつかきっとわかってもらえるんじゃないかという期待を毎回抱かせてくれた。
ドラマの終わりについては不安を残すような形が取られており、そこが賛否両論だったようだが、個人的にはこの物語がここだけではなくこの先もずっと続くのだということを感じさせてよかったのではないかと思う。
"あれ?この子(人)ちょっと変だな?"と思ったとき、自分はどんな風にその子(人)を受け入れるだろうか。
このドラマを見ながらそんなことをいろいろ頭の中で想像してみた。
コミュニケーション能力に欠陥があるように思えてならない私自身に、とてもいいシュミレーションになったように思う。
「万華鏡キラキラ」
WORDS & MUSIC & PLAY BY RYTHEM




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