司馬遼太郎さんの新撰組を描いた小説3作品を読んだ。
「新撰組血風録」と「燃えよ剣」(上)(下)だ。
読もうと思ったきっかけは大島渚監督作品の映画『御法度』
この映画がとても意味深で不思議な物語なので、司馬遼太郎さんの描く新撰組の世界を体験したあとにこの映画の物語について考えてみると面白いかもな・・・というところから始まっている。
また、その物語で重要な鍵を握っているのが沖田総司なんだけど、武田真治君が演じているんだなあ~^^;
そして、彼の演じた沖田総司が司馬遼太郎さんの描く総司像を良く表しているという意見をいろんなところで読んだので、俄然興味が沸くってもんさ。
映画についてはまた別の日に、今回は司馬さんの小説を読んで感じたことを書くことにする。
実は、武田真治くんのことは関係なく、司馬遼太郎さんの作品はいつか読んだほうがいいのかもな・・・と20代の前半から漠然と思っていた。
その頃、やたらまわりに幕末の歴史が好きな人が多く、よく知らないと言うと日本人として恥ずかしい奴とよく言われたものだった。
それでもやっぱり興味があまり沸かなくてね・・・つい最近まで読む気がしなかった。
(そんな私に読むきっかけを与えてしまう武田真治ってすごい・・・でしょ^^;)
新撰組というと、私は極悪非道な殺人者集団というイメージを持っていて敬遠していた。
どんなに美化したところで、人を切って殺しまくったという事実は変わらないのだし。
そんな人たちを司馬遼太郎という人はどんな風に美化しているのだろうと思いながら読み始めた。
司馬遼太郎さんの文章はとても簡潔で読みやすかった。
人を切るシーンの描写も簡潔でそこに感情をこめる事はなく、事実のみを語っているという感じ。
人物描写がとても深く(細かいという意味ではない)、魅力的な人物像を描くのがとてもお上手だと感じた。
事実、それまでほとんど毛嫌いしていた近藤勇、土方歳三という人物を魅力的な人物だなあ・・・と、読み進めるにしたがって愛着を感じ始めた。これは自分でとても不思議だった。
『燃えよ剣』の土方歳三の最後は見事としか言いようがなく、お雪との(ある意味)純愛も美しい。
司馬さんの描く沖田総司は、摩訶不思議な存在だ。
なるほど、武田真治が『御法度』で演じた沖田総司はこんな感じだったと私も思った。
『燃えよ剣』は土方中心で話が進むので、決して沖田の登場シーンは多くない。
それでも、彼の言動はとても印象的で、いつの間にか好印象を抱くようになっていた。
沖田の最後も切なかった。
『新撰組血風録』では沖田の恋の話も描かれているが、土方の恋の話に比べるとかなりあっさりしている上に近藤勇に横槍を入れられて(!)、ちょっとかわいそうな結末を迎える。まあ、初恋はそんなものさ~って感じかな。
しかし、どんなに人物像が魅力的でも、物語の大半は人を切る話なので、そういうところは最後までなじめなかった。
これはあくまでも司馬遼太郎という作家が創作した話なのであって、史実とはかなり異なる部分もあるし、人物像だって違うようだ。
小説を読んだあとちょっとだけネットで新撰組のことを調べてみたら、これまで私が持っていた新撰組のイメージはこの司馬遼太郎さんの作品から来ているものだったってことが分かってきた。
日本史もろくに習っていない中学生時分にこの小説をもしも読んでいたら、私は司馬さんの描く新撰組を歴史上に登場する本当の新撰組だと思ったかもしれない。
そのくらい司馬さんの文章は淡々と事実のみを語るような雰囲気だった。
この3作品を読みながら、あるいは新撰組のことに興味が沸くかもしれないと思っていたけど、そうはならなかった。
確かに司馬遼太郎さんの描く新撰組や土方歳三、沖田総司はかなり魅力的で、読んでいる間は夢中になれた。
小説だから楽しめたんだと思う。
幕末についてはこの頃結構興味がある。
なぜかというと。
私はプロフィールにあるとおり、山口県に暮らしている。
そんなわけで、日本のとある土地に行って歴史の話になったとき、ちょっと肩身が狭くなったことがあった。
そのとき、歴史が今に繋がっている過去の出来事であることをちょっと身をもって感じたので、そこはかとなく気になるようになったのだった。
『新撰組血風録』『燃えよ剣』に登場する長州人はあまり好意的に描かれていなかったように感じる。
それがちょっと寂しく感じたわけなんだけれど、実は、司馬遼太郎さんは吉田松陰、高杉晋作を主人公にして『世に棲む日日』という作品を書いているそうなので、そのうち読んでみようかなあ・・・とは思っている。
まあ、とりあえず興味を持つにはうってつけなような気がするので。
私は今のところ、他の司馬遼太郎さんの作品を読む気にならないが、今思えば、私に幕末の歴史に興味がないなんて恥ずかしい奴・・・と言った人は、司馬遼太郎さんの小説のファンだったのかもなあ。
う~ん、ある意味はた迷惑^^;
とは言うものの、司馬遼太郎さんの小説は面白いと思う。
鵜呑みにしてしまうのは、どうかと思うが、こういう解釈もありなんでないかい・・・という方向性で捉えられれば、充分楽しめると思うので、ちょっとお勧め^^
土方歳三・・・かっこいいぞ~!
「38Special」
WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY SHERBETS




確かにみんな司馬小説の影響を強力に受けてます。
総司が全く異なる男っぽいというか野太い感じのキャラクターで書かれている小説があって、書き手には申し訳ないけれど、受付難い・・・
投稿情報: むねお | 2008-11-23 10:12
「燃えよ剣」・・・
子供の頃TVドラマ化されていたのを見たような・・?
たしか総司は草刈さんだったような・・・?
書籍では一度も読んではいないものの、「新撰組」ものは好きです。
私は漫画の木原としえさんだったり、和田慎司さんの作品も好きでした。
土方歳三さんのビジュアルも好きで^^
最後、函館あたりで撮った写真が美しいですよね♪
投稿情報: ゆみ | 2008-11-23 15:05
和田慎二、「あさぎ色の伝説」ですね。
あの総司も、やはり司馬色濃いかったかな。
母親に関するエピソードが和田カラーのオリジナルだった記憶があります。
投稿情報: むねお | 2008-11-23 18:04
冬の読書もいいですね。ずっと読んじゃうので本と本屋に近づかないようにしています。通勤でよんでても入りこみすぎることもあったり。でも、栄養源でもあるから。。。
司馬さま作品も読みだすと読みつづけてしまうだろう 棚におわづけ状態になっているのです。。
投稿情報: えみ | 2008-11-24 21:01
>むねおさん
ほんとに、司馬さんの作品を読んで全然違和感がなかったってことは、私も影響されていたってことなんだろうなと思います。
しかし、野太い沖田総司・・・かあ・・・想像できませんね・・・^^;
投稿情報: 安井文@管理人 | 2008-11-24 22:51
>ゆみさん
木原敏江さんは結構読んだ口なんですが、新撰組だけは読まなかったことが今回判明しました^^;
木原作品を貸してくれていた友人がもっていなかったためと思われます。
なんだか気になるなあ・・・。
和田慎二さんの「あさぎ色の伝説」、絵が見つからなかったわ^^;
でもこちらも知りませんでした。
「スケ番刑事」は読みましたけ^^;
・・・自分はかなり偏った方向性で漫画を読んでいたのではないかと・・・思い始めています^^;
そうそう!土方歳三って男前ですよねえ。
かなり浮名をはせたようです・・・あの容姿じゃそれもあるだろうなあ^^;
投稿情報: 安井文@管理人 | 2008-11-24 22:52
>えみさん
いらっしゃいませ^^
えみさんも読書癖があるようですね~♪
司馬さんの作品お好きなのですね^^
他にはどんなものを読むのでしょうか??
本と本屋に近づけないとは・・・かなりものです。
落ち着いて読める時間が持てるようになるといいですね^^
投稿情報: 安井文@管理人 | 2008-11-24 22:53
こんばんわ。
本屋やCD屋に住めるのではと思った事ありますが。(もちろん 追い出されるでしょう。。。)
雑誌 漫画 写真 映画 音楽好きです。
川上 弘美さん 島田 雅彦さん 。
坂口 安吾 思想や心理の本とか
京極作品も危険なので 1冊にとどまってます。(次々 読みそうなので)
投稿情報: えみ | 2008-11-27 20:46
司馬遼といえば、中学校の国語の教科書に、「美濃浪人」(「人斬り以蔵」収録、かな)の一節、所郁太郎が井上聞多を外科手術で救うくだりが載ってました。
最近、その授業をしてくれた恩師が亡くなったので、ちょっと思い出しまして。
郁太郎にせよ村田蔵六にせよ、歴史にいっときその役割を与えられて舞台に現れ(舞台の大小はあるが)、そのまま去っていくんですな。
まぁそれは読み方がたぶん逆なんで、
我々がそこしか知りえないだけなんですが。
投稿情報: むねお | 2008-11-30 17:39
>えみさん
つぶやきのような質問にお答えいただきありがとうございます^^
私にはなじみのない作家のお名前が・・・。
坂口安吾は私も読みます^^
ベンジーを愛する人は読書癖のある方が多いですが、でも、一概に同じ趣味ではなかったりする。
興味深いです^^
投稿情報: 安井文@管理人 | 2008-11-30 23:31
>むねおさん
>まぁそれは読み方がたぶん逆なんで、
>我々がそこしか知りえないだけなんですが。
おおお、その通りですよね~。
司馬さんは、そういうところをさりげなく文章にしていて、かっこいいなと思います。
投稿情報: 安井文@管理人 | 2008-11-30 23:32