定期的に読みたくなる本というのがある。
ここ1ヶ月ぐらい読みたいな~と思っていてベッドのそばまで持ってきていた本があった。
しかし、なかなか読み始められない。
今回の模様替えでも本棚に戻す気になれず、結局またベッドサイドに置いたまま。
模様替えが落ち着いた昨日、やっと読んだ。
実は、この本だけは毎回開くのに時間がかかるのだ。
読み始めるとあっという間なのに。
森脇真末味さんは、耳鼻科通いをしていたときに『おんなのこ物語』に出会ったのがきっかけでファンになった。
記憶があやふやなのだけど『Blue Moon』も耳鼻科で何話か読んだのだと思う。
耳鼻科通いは実に5年も続いたので、どの作品にどんな順番で出会ったのかまったく持って記憶にない。
しかし、小学生のくせに『おんなのこ物語』や『Blue Moon』を好んで読んでいたなんて・・・なんてかわいげのない子供だったのだろう。
『Blue Moon』は一卵性双生児の兄弟、英一と英二の物語。
英一と英二は予防接種さえも受けていない戸籍のない双子。
小さな頃から親戚をたらいまわしにされた挙句逃亡し、根無し草のような生活を送っている。
ギリギリ未成年という年齢。
2人は父親を引き止めるためだけに母親が産んだ子で、しかもその父親は2人を認知しないままに母子を置いて何処かへ行ってしまった。
父親が行方をくらましたその夜に母子は火事にあい、英二だけ連れ出した母親は、英一を見殺しにしたと思い込んで、それをきっかけに精神の均衡を崩してしまう。
幸い英一は助け出されていたのだが、苦しみから逃れようとする母親は、自分の子供は英二だけで彼の名前が英一だと思い込んでしまう。
英一は"男"と"子供"が同居しているような不思議な色気があり、本人はまったくその気がないのに"その手の男"に言い寄られてしまう。
しかも黙ってそばにいてしまえる人間なので、時々その手のトラブルに巻き込まれる。
一卵性なのに英二には英一のような色気がまったくない。
健全な歳相応の男子で、プラトニックならおそらく英一よりはもてる(本人弁)
英一が母親と弟を養っている。
あるときは年齢を偽って美容院にもぐりこみ、あるときは未成年だということを利用して危なげな商売の手助けをしたり、あるときはジゴロ・・・・とまあ、まっとうな商売はほとんどしていないようだが、とりあえず働いている。
英二は自分のことを"兄貴がいないと何も出来ないやつ"と思っている。
定期的に母親のお見舞いにも訪れるのだけど、母親は英二を英一と呼び、英一のことは英二の友達だと思っている。
英一は自分の存在についていつも不安を抱えている。
無償の愛を知らないので、愛を得るためには代償を払わなくてはならないと思い込んでしまっている。
そんな彼にとって英二はもっとも大切な存在でありながら、最もにくい存在でもある。
英一はそのことに無意識に気づいていて、自分が母と弟から必要とされることで自分自身を保っているのだ。
だから、英一は英二に何もさせない。
それでも、時々こらえきれなくなり、体調を崩してしまうのだけど、それでも英一は英二に何もさせないのだ。
そんな双子のかなりへんな日常が『Blue Moon』では繰り広げられる。
たいていの人たちは、不思議なことに彼らとかかわることでなにかが浄化されているように見える。
そして、やがて彼ら自身にもそのときが訪れる。
この本を読み終わったとき、いつも何かをやり遂げたような気分になる。
どうしてなのかは説明できない。
"お前が俺を忘れても、俺はお前を忘れない。
お前が俺を忘れても、オレはお前を恨んだりしないよ"
物語の終わり、英一は英二にそう言って姿を消す。
私はいつもこのセリフを読むと涙が出てきちゃうんだよなあ。
タイトル曲を行方をくらました英一に捧げたい。
「愛はいらない」
WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY SHERBETS







ちょっと、コメント遅くなってしまったのですが(オズオズ)。
私も、読み始めるまでに一呼吸いる作品です。でも、なんとも読み応えのある素晴らしい作品だと思います。
あと、こうして並んでみると、ブッキング版ってやはり素敵ですね、お値段は張りますが。
投稿情報: ハラ | 2008-10-22 19:33
>ハラさん
こんにちは^^
そっか、ハラさんも同じなんですか。
この作品について今回思うことを書いてみましたが、ぜんぜんだめだなと^^
うまく伝えようとすると逆に分析的になりそうで・・・難しいですね。
ブッキング版・・いろんな意味で重いですよね^^;
私も今回並べてみてきれいだなあと思いましたね。
『Bule Moon』はずっと暗い夜のイメージがありましたが、森脇さんのイメージはこういう青なんだなあと。
投稿情報: 安井文@管理人 | 2008-10-24 10:22