やっとレンタル屋からDVDが届いたので、市川崑監督作品『獄門島』(石坂浩二@金田一)を見た。
その数日前に友人からスカパー!で上川隆也@金田一版の放送をしていると連絡があり、帰宅してすぐTVをつけたのだけど、ほとんど終わり近くだった上に録画予約の都合上終わりが見られなかったので残念。
再放送がないか探しているのだけど目に付かない(涙)
チラッと見た感じでは、種明かしの内容が原作と違っていたのでとっても気になっている。
以下、思いがけず熱が入って、感想が長くなってしまった^^;
まず、この映画とは直接関係ない感想。
普段私はトリニトロンのブラウン管でスカパー!(アナログ)で放送している映画やドラマなどをそのまま見たりHDD→DVD化したものをミニコンポのスピーカーで音を出しながら見ている。
製品版DVDもたまに買ってきてみるのだけど、今回この『獄門島』を見て、やっぱり製品版DVDはTV録画したものとは雲泥の差だなと感じた。
もちろん、この先デジタル放送をデジタル録画できる機器を手に入れることが出来ればあまり気にならなくもなるのだろうけれど、やっぱり高額な製品版DVDは当たり前だがきちんと手をかけてるので高いのだと改めて納得した。
意外にも音楽が明るい感じでものすごくかっこよかった。
原作の雰囲気を考えるとちょっと異質な感じを受けたのだが、私の好きな感じだったので物語が進むうちになじんでしまった。
横溝正史作品を読むようになってから、文章の中で動き回っている金田一耕助が実体を持って画面の中で動き回るのを見るのは初めてなので、とても新鮮だった。
石坂浩二@金田一ってめっちゃめちゃかっこいいじゃないか~♪
『魔王』の意地悪父さんとは雲泥の差^^;
あまりどもらないので、正確には原作@金田一とはまた違うイメージなんだろうけれど。
実は個人的に古谷一行@金田一のイメージが強かった。
TVで何度もやっていたのを覚えているせいだろう。
原作を読んでから持ち始めた金田一耕助のイメージは派手ではないけど割とハンサムで、物腰もスタイリッシュで都会的な感じでどちらかというと色男っぽい感じ。
アメリカに行っていろいろ悪さもしている人だという設定なのでそう感じたのかもしれない。
なので、古谷一行さんだとおじさんっぽくて違うんだな。
かといって、自分で具体的なイメージを持っていたわけではなかった。
文章だけで読んだ人や物を具体的に思い浮かべるのはもっとも苦手なことなので。
そんなわけで『獄門島』の一番最初のカットのアップでドキッとして"おお、金田一耕助だ・・・"と納得してしまった。
物語中でもどやどやと前に出てきて推理するわけではなく、どちらかというと控えめで、事件を見守っているという感じ。
私がおぼろげながら持っていた古谷@金田一のイメージが吹っ飛んでしまった。
もう私の金田一像はこれで固まってしまった。
原作があると事前に分かっている映画については、その作品が知らなかったりまだ読んでいなかったりした場合には映画化されたものを先に見るようにしている。
文章で表現された世界を映像化するときには必ずいろいろな制限や表現の違いから原作とは違ったものになる可能性は否めない。文章のほうが細かく表現されるわけだからそれはしょうがない。
だから、先に映画を見ることにしている。
それでも最近は、すでに読んでいる作品(小説なり漫画なり)が映画化されることが多くなり、そうも言っていられなくなったので文章と映像とでどんな差が出るのかを楽しむようにしている。
市川版『獄門島』は原作と違う趣を持っている。
監督いわく、前2作と同じようにしたかったので変えたそう(それを書いてしまうとネタばれになる)なのだけど、私はちょっと目からうろこだった。
ただ、結果的に事の発端はやっぱり同じ人物だと思った。
原作の犯人の殺人動機は文章で読む分にはじわじわと染みて納得できる。
ある程度自分で選んで本を読む読者ならそれを楽しめる。
ただ、映像だといろんな表現が単純化されてしまうので、原作のままだとちょっと犯人像としては弱くなったかもしれない。
映画版の犯人の動機は割と単純に分かりやすいと思った。
それも悪くないなと。
原作にはない早苗と金田一のちょっとしたロマンスも添えられていてちょっとどきどきした。
原作を元に脚本を起こす作業は面白そうだなあと最近思っていたのだけど、『獄門島』を見てその技量のすばらしさにうなってしまった。(それで最近は、映画やTVドラマの見方が変わってしまったなと自分で感じてちょっと寂しかったりもする。)
『獄門島』は原作とは展開は違っているけど、原作の雰囲気をそのまま映像にしていると思えたのだ。
これはもう一種の職人芸だなと感じた。
また、役者がそろっている!
一番うなったのは東野英治郎さん。私的には水戸黄門なこの人が、嘉右衛門!!
エロ爺ぶりが板についていた^^;
でも、私の持つイメージにはとても近かった。
次は大地喜和子さん。
お志保はこの人しかいないでしょう~♪
この作品は、結構説明ゼリフが多いなと感じたのだけど、お志保もかなり説明させられていた。
それがあまり感じられないセリフ回しにうなってしまった。
でもまあ、大好きな名女優の一人なので彼女が出ているだけでも私にはうれしかった。
早苗の大原麗子はかなりイメージが違っていたけれど、全体的なバランスでいうといいのかもしれない。
清水巡査の上条恒彦さんはイメージどおり。
床屋は娘がおしゃべりという設定に変わっていたけど坂口良子さんがかわいいのでいいか。
鵜飼はピーターできまり!
お志保との絡みもなにやらあやしげで雰囲気がよく出ていた。
もしも新しく作り直すとしても、彼のような中性的な雰囲気を出せる若者がいないかもしれない。
了然和尚は割とイメージどおりだったけど、坊主じゃないのね^^;
映像の感じは赤がとてもはっきりしていて美しかった。
島の町並みもとても雰囲気があり、今ではこういったものもあまり残っていないんだろうなあと感じた。
海の光の反射がなんとも言えず、島の閉塞感が出ている。
一番うなったのは、みんなでお花を探しているとき了然和尚のちょうちん。
文章で読んでいたときよりも数段闇が深く感じられ、これなら分からないよなあと空寒くなった。
発見される殺人現場はあまりにも色彩が鮮やかでそれが残酷なので印象に残ってしまうだろう。
ただ、先に原作を読んでいたので、それほど衝撃を感じなかった。
また、草笛光子さんのお小夜聖天はすごい色気だったなあ。
この方も大好きな名女優のお一人だが、楚々とした武家の奥方からお小夜のような妖艶な女まで演じ分けられるのはさすがである。
文章で読んでいる間は、女性の登場人物のもつ色彩や息遣いを想像し難かったのだけど、市川版『獄門島』ではそれらが現実感を持って表現されていて目に焼きついてしまった。
そのほかの建物や船などが古ぼけていて色がちょっと抜けた感じなので、そのメリハリはいっそう際立っていたと思う。
しばらく他の『獄門島』を見るのは控えようかなあ。
「獄門島のテーマ」
MUSIC BY 田辺信一




とうとう見ましたか!
流石にslanさんは考察が深いですね。
でも見て良かったでしょ?
私も「獄門島」の映像は映画版が一番好きです。
他の追随を許しません。
でも金田一耕助は古谷さんが一番いいんだけどなぁ。
石坂さんでは綺麗過ぎる。
フケが似合うのは古谷さんだと勝手に思ってます。(笑)
投稿情報: 黄色の道化師 | 2008-08-05 20:58
>黄色の道化師さん
はい~やっと見れました~^^
見てよかったと思います。
>フケが似合うのは古谷さんだと勝手に思ってます。(笑)
う、うう、確かにそうだけど。
ちょっとおじさんっぽすぎるよ~>0<;
でもまあ、古谷さんの金田一も見たらまた意見も変わるかもしれないですね。
ちょっとだけ中尾彬@金田一の『本陣殺人事件』を見ましたが、途中で耐えられずやめてしまいました^^;
投稿情報: 安井文@管理人 | 2008-08-06 16:19