最近、2週間に1冊のペースで小説を読んでいるので、ここ最近読んだ本について備忘録っぽく書いてみようと思う。
機本伸司著「神様のパズル」(ハルキ文庫)
映画を見て"なんだこりゃ"と思ったので読んでみた。
映画はそれとして結構楽しめた。
でもやっぱりなんかしっくりこない。
ベースになっている物語と後付で設定されたキャラクターやエピソードがうまく融合されてない感じがしたので、大抵のものは受け入れられる性分の私にしては珍しく不完全燃焼。
ちょっと調べてみると原作は本格的なSF小説だということだった。
本屋に行くとライトノベル系のコーナーにあり(ハルキ文庫)、表紙の絵もそれっぽいので一瞬躊躇してしまったのだけど、そこを我慢して手に取り読み始めると、なんのなんの私の好きな丁寧な表現で淡々と物語が語られている。
これなら大丈夫だわと読むことに決定。
小説を読んでみたら映画はあまりにもひどい変更が加えられていて、原作ありきの映画制作のあり方についてある種の憤りを感じてしまった。
作家が丁寧に組み立てた物語を自分の手に負えないからと映画制作者が好きなように設定変更してまったく違う作品にしてしまうという手法はいいのか悪いのか・・・?
まあ、とりあえずそれは今回関係ない。
「神様のパズル」はとてもまじめなSF小説だった。
物理専攻の落ちこぼれ大学生が単位ほしさに飛び級で大学にいる不登校の少女をゼミに参加させなくてはならなくなった。主人公をまるで相手にしない少女に対してとっさの思いつきで「宇宙は人間に作れるのか?」と投げかけてしまう。
その疑問に反応した少女はゼミに参加することになり、主人公は少女と組んでゼミでそのことを証明しなくては単位がもらえないという状況に追い込まれる。
小説の中には実現されていない実験装置や飛び級なんかが出てくるので現在っぽいが実はその設定自体が近未来になっている。
展開される物理理論は難しくて正直辟易するが、物理の基本も分からないまま講義を受けている老人や物理専攻のくせに基本さえよく理解していない主人公が折に触れて読者の疑問を少女にぶつけてくれるので、なんだか分かったような気分になる。
映画は後半派手な演出がどかんどかんと出現するが、原作は最初から最後まで淡々と物語がつむがれ、エンディングまでも淡々としている。
本当に淡々としているのだけど、なんだか最後まで読んでしまった。
映画については、正直、嫌いな路線ではないだけに評価に困っているという感じ・・・気が向けば感想を書くかもしれない。
恩田陸著「MAZE(メイズ)」(双葉文庫)
何度も手にとってはまたの機会にしようと読まなかった本が文庫本になった。
恩田陸さんの文章表現が私は大好きなのだけど、それ以上に毎回違った手法で描かれる彼女独特の世界に引き込まれたいので選んでしまう。
中近東のどこかの丘に真っ白い迷路が立っている。
その迷路の中に入ってしまうと、帰ってこれない人がいるという。
主人公はそのなぞを解くために現地に向かうのだが・・・。
中学生の頃、日本SFが全盛で特に星新一のショートショートが流行っていた。
この小説を読み始めたとき、あの頃読んだ星新一作品の「おーい でてこーい」を思い出した。
読みすすめているうちに物語中に「おーい でてこーい」を説明するシーンが出てきたので、"なんだ、やっぱりそうなのか~"とほくそえんでしまった。
恩田陸という作家は、書くことと同じくらい読むことの好きな作家でしばしば自分の好きな作品の手法を使って自分の世界を構築する。
恩田さんが材料として選んだ作品をすでに読んでいれば、どのようにうまく料理しているかが手に取るように分かるので、彼女のセンスのよさに思わずうならされてしまう。
今回もうまい具合に料理されているなあと途中までは思っていた。
正直、この作品に関しては結びが気に入らなかった。
散々期待させておいてそういうオチにしてしまうのかあ・・・って感じ。
でもまあ、ほとんどの部分を楽しんで読めたのでよしとしよう。
あまりに面白かったので、この本は1週間かからずに読み上げた。
「神様のパズル」は相当SF好きでなければ向かないかもしれないが、「MAZE(メイズ)」は本屋で立ち読みでも完読可能^^
興味のある方はとりあえず本屋へ走れっ!
なんとなく・・・この2作には最近ハードローテーションのMuseが合うと思う。
「Dead Star」
lyrics performed by Muse




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