10月15日から映画『包帯クラブ』が公開される。
『包帯クラブ』は天童荒太さんの同名原作を映画化した作品。
天童作品の中では今のところ一番短い長編小説である。
天童作品といえば、「永遠の仔」「家族狩り」などがあげられる。
どちらも家族のあり方がテーマで内容も文体も少し重苦しい感じがする。
『包帯クラブ』はそんな天童作品の中では、やさしい語り口で全体的に感触が軽い。
ちくま書房の新書版として出版されていて、どの本屋でもされていなかったが、控えめに"話題作"、"ヒット中"などという小さなフリップが『包帯クラブ』のところに取り付けてあって、常に平積みされている。
今本屋に並んでいるものは、映画のポスターと同じ写真が使われている。
映画化を知ったきっかけは実は、この新しい装丁を見たからだったりする。
読んでみて10代を意識した作品だな、10代のうちに読みたい本だなと感じた。
恩田陸さんの「夜のピクニック」同様、私の中では青春小説として何度も読み直したい作品のひとつになった。
10代の身内がいたら"読みなさい"と押し付けているかもしれない。
映画化は正直びっくりしたが配役を見てなんだそうかと妙に納得したので、是非みたいなと思っている。
物語は主人公が病院の屋上で飛び降りようとしているところから始まる。
そこへ変わり者の少年が現れ、主人公の手首から取れてしまった包帯をフェンスに巻きつける。
それをきっかけに傷を負った場所で心の傷を癒すために包帯を巻くという不思議な行為が広がっていくことになる。
物語中、「夜のピクニック」同様、なにか目立つような大事件はひとつも起こらない。
たんたんと物語りは進んでゆく。
映画の公式サイトのトップページでは包帯が空に舞っている情景が広がっていて、"Enter The Site"クリックするとその中の包帯が1本空に飛んでいく。
なかなかいい感じだ。
心の傷を癒さないと次のステップには進めない。
多分みんなそのことには気がついているんだけど、自分ひとりでは深く閉じ込めることしか思いつかない。
誰かがやさしくその封印をといてくれれば良いのに・・・。
かつて私はそんなことを考えたことがある。
『包帯クラブ』の中にそんな思いをかなえるひとつの方法を見たような気がしている。
他人にかかわらないことで、自分を守る。
自分も見ないことで他人の傷は目にすることがない。
だから、誰かが自分と同じ傷を持っていたとしても、それに気がつかず無意識に別の誰かを傷つけている可能性について想像することが出来ない。
この物語の登場人物たちはそのことを"戦わない"ことで気がついていくのだ。
そして強くなっていく。
原作の物語の終わりはなんとなく消化不良な感じがする。
でも、明確に終わらなかったので私は逆にその先を想像した。
主人公たちがその後どんな経緯でそうなったのか・・・なんてことを妄想好きな私は考えた。
映画でその主人公たちがどんな風に動くのだろう。
心に傷を抱える主人公は石原さとみさん。
少し私のイメージとは違っているので、どんな風になるんだろうかと思う。
その主人公に影響を与える少年を柳楽優弥くんが演じる。
映画を見てみたいと思ったのは、柳楽くんの存在。
おおっ!そうかそんな感じだよなあと思ったので。
映画を見に行く前にもう一度読み直してみようかな。
とにかくほんの少しの期待を込めて、映画館に足を運ぼうと思う。
「強くなれ」
WORDS BY 高橋瞳、mavie、TAKUYA、MUSIC BY TAKUYA、PLAY BY 高橋瞳




私もこの映画はなるべく観に行こうと思ってます。
原作をどう味付けしたのか楽しみです。
投稿情報: 黄色の道化師 | 2007-09-14 20:37
slanさん、こんにちは。
私もこの本は読んでいます。
天童荒太さんを知ったのは「永遠の仔」がテレビ化された時で、虐待されて育てられた子の苦しみを知ってすごくショックでした。
実は家には高校生の息子がいて、「包帯クラブ」は読ませています。最初は興味がないと言ったのですが、なにか感じるところがあったようで、他の本も読んだようです。
柳樂優弥君は目が魅力的で、「誰も知らない」の演技はすばらしく、どんな俳優さんになるのか楽しみですね。
投稿情報: ポコリン | 2007-09-20 16:59
>黄色の道化師さん
先週見てきましたよ。
そのうちレビューしますね^^
柳楽優弥くん=ディノでした!
これは映画として成功でしょう!
投稿情報: 安井文@管理人 | 2007-09-25 18:08
>ポコリンさん
「永遠の仔」は2つ目に小説を読んで泣いた作品でした。
ドラマがきっかけで読んだんですが、その後天童荒太作品は読むようになりましたね。
高校生はまさに天童荒太さんが「包帯クラブ」を読んで欲しい年代なのではないかと思います。
息子さんは何を思ったのでしょうね。
柳樂優弥君=ディノでしたよ!
いずれレビューを書く予定です^^
投稿情報: 安井文@管理人 | 2007-09-25 18:10