先週金曜日、日本アカデミー賞の授賞式が放送されるというので、わくわくしながらTVの前に陣取っていた。
始まった瞬間からなんだか今年は面白くないなあと思いつつ半分ほど見たのだが、司会者もインタビュアーもしけていて(映画出演者はそうそうたるメンバーだったのに!)ちっとも面白くならない。飽きてきたなあ~と思っていると突然後ろからすごい歌が聴こえてきた。
振り返ると、長い黒髪を振り乱しながら歌う女性の映像が流れている。
ちょっと解説すると、我が家の居間には2台のTVがある。
私は普段家族で見る大きなTVでソファーに座って日本アカデミー賞を見ていた。
母は、その反対側の角にあるほぼ父専用(シーズン中は絶えず野球中継が流れている)TVで、所在無くチャンネルめぐりの最中だった。ふと立ち止まったチャンネルで、その映像が流れていたのだ。
私は思わずそちらのTVの前まで行って「誰?」と母に尋ねたのだが、母が答えるまでもなくすぐにちあきなおみさんだということがわかった。
その映像はある年の紅白歌合戦で「夜へ急ぐ人」という曲をちあきなおみさんが熱唱した映像だった。
なんと「たけしの誰でもピカソ」でちあきなおみさんの特集を放送していたのだ。
私たちは急いで、大きなほうのTVのチャンネルをこの番組に合わせて、しばし見入ったのである。
新聞をちゃんとチェックしていれば、あんな面白くない授賞式なんか見ないで、こっちを見たのに。
貴重なライブ映像はすでに4曲目。
珍しく母も「録画したかったねえ、再放送はないのかねえ」とため息をついていた。
実はこの番組、私の住んでいる地区のローカル民放TV局で数ヶ月遅れで放送されていることを私は知っていた。
そんなわけで、すぐさま番組公式ページを確認したところ、4月に放送されることがわかった。
さあ、今からHDDレコーダーに予約だ!
ちあきさんというと、コロッケさんによる形態模写「喝采」が有名だけど、彼の形態模写は実に彼女の特徴を捉えていると思う。ちょっと残念なのは、その効果で「喝采」と笑いの要素が結びついてしまっていることくらいだ。
逆に言うと、彼のおかげで1992年に活動休止したまま沈黙している彼女のことを若い人でも知っているという功績も多少あると思うのだ。
ちあきさんというと、その「喝采」の抑えた中にも感情が豊かに隠されている歌唱表現を思い出す人も多いだろうが、この日見た「夜へ急ぐ人」はかなり前衛的な表現で、体全体を大きく使っての表現だった。
いったいどうしたんだろうと度肝を抜かれるほどの髪の振り乱しようで、恐ろしくもあった。
今でこそそういう表現は演劇的で前衛的でかっこいいと評されもするが、当時はやはりみな困惑したらしい。
しかしなんで、今、このときに彼女の特集なのかはよくわからない。
母に言わせると、ちあきなおみさんは今も根強い人気があり、表に出てこないがファンの息も長い!・・・のだそうだ。(私の母もその一人。ついでに私も。)
番組のサブタイトルには『遂に実現! 名曲伝説! ちあきなおみ』と掲げられている。
なんと5年越しの企画なんだとか。すごいなあ。
細川たかしさんの歌唱で大ヒットした「矢切の渡し」が実はちあきなおみさんのために書かれた曲だということを知っている人は少ないんだろうなあ。これは絶品だ!
彼女の歌は情景がある。ある意味演劇というかミュージカルっぽい要素があるんだなと今回映像を交えて聴いていて強く感じた。
アニマルズの大ヒット曲「朝日のあたる家」(日本語詞:浅川マキ)の歌唱映像も流れたが、これがまた・・・・っくーっっっっ!耳から離れない。
目の前で場末の娼婦宿に流れ着いた娼婦が身の上話を話しているような錯覚に陥ってしまった。
きっと私たちが見損なった時間帯には「喝采」の映像も流れたんだろうなあ。
4月の放送が待ち遠しい!
日本の生んだ伝説的歌姫というと、わたしはやっぱりまず美空ひばり大先生を思い浮かべる。
そして次にちあきなおみさんだ。
お二人ともどんな歌でも自分の歌にしてしまう。
どんな歌でもというのは文字通りの意味。
演歌はもちろん、歌謡曲、ジャズ、フォーク、、ロック、ブルース、シャンソン・・・・どんな歌でもだ!
昨今はそういう歌手は現れていないと思う。
極端に何かのジャンルに偏った歌唱法でうまいといわれる歌手ならたくさんいると思う。
本当に残れる歌手はどのくらいいるんだろう。
美空ひばり大先生は、すでに他界された。
ちあきなおみさんはだんなさんがなくなってからぱったりと歌うのをやめてしまった。
もう15年の月日が流れている。
それでも毎年発売されるベストアルバムがどれも異例の売り上げを記録しているそうだ。
つまり、ファンは今でもちあきなおみさんを待っているということだ。
私も待っているひとり。
彼女の歌で聴きたい曲はたくさんある。
だからもう一度ステージに立ってほしいなあ。
「夜へ急ぐ人」
WORDS & MUSIC BY 友川かずき、PLAY BY ちあきなおみ




私も観ました。どれも素晴らしかったですが「夜へ急ぐ人」に一番感銘を受けました。これを紅白の曲目にするのですから、紅白はあなどれませんね。
投稿情報: ハラ | 2007-02-19 21:26
>ハラさん
お久しぶりです^^
同じ時間同じ番組を見ていたんですねえ~そっちのほうがちょっと感慨深かったりして。
「夜へ急ぐ人」は歌詞がまたすごいですよね。検閲に引っかからなかったのでしょうか・・・侮れませんね、紅白は。
インターネットで誰ピカで使われた映像が見られる場所がありました。
ググルと出てきます!
投稿情報: 安井文@管理人 | 2007-02-20 17:29