10月3連休最終日。
今日は快晴で、風が少し肌寒かった。
昼間、私の部屋の外では、道路を挟んで南にある大きな緑地公園で子供たちがテニスをしている声と音が聴こえていたが、もう深夜に近い今は車が通り過ぎる音だけが聴こえる。
この3連休中にやっておきたいことが2つあった。
それは恩田陸さんの「夜のピクニック」を読み上げて映画『夜のピクニック』を見に行くこと。
どちらも今日実行できたので、今とても充実感がある。
小説も映画もとてもよかったので、今かなり興奮状態である。
今のうちに感想を書いておきたいと思う。
まずは小説のほうから。
映画のほうは後日。
一緒に書こうとしたのだけど、長くなってしまったので分割した。
恩田陸さんの「夜のピクニック」は2004年に出版され、2005年の本屋大賞を受賞した小説。
その頃本屋に行くとやたらこの本が目についたのを覚えている。
恩田さんの作品は本屋で手に取った「光の帝国-常野の物語-」の文庫本から読み始めて、ぽつぽつといくつかを読んだ。
「夜のピクニック」については、とても読みたかったのだけど、とにかく文庫本になってから読もうとかたくなに決めていた。
そのうち時が過ぎて、ついこの間映画館に行ったら9月30日に映画公開と大きなポスターが貼ってあった。
え!まだ文庫本出てないのにっ!いや待てよ・・・映画が出るなら、文庫本も一緒に出版のはず!とひとり百面相をその場で繰り広げてしまった。
それから数日後、待ちに待った文庫本が店頭に並んだ。
「夜のピクニック」は全校生徒が夜を徹して80キロを歩きとおすというとある高校の伝統行事が舞台である。
これは、実際に恩田さんが卒業した高校で今も行われている行事がモデルになっていて、映画の撮影もこの母校で行われたそうだ。
物語は、学生たちがゴールに向かって歩くだけでほとんど目を引く出来事は出てこない。
単調な物語の中には、秘密が隠されていて徐々にその内容が明らかになってくる。
主人公の貴子とその友達、貴子が気にかけている同じクラスの融とその友達の忍、それぞれのたわいもない会話や心の中の呟きが交互に描写される。
途中、個性的な同級生がその中に乱入して、それぞれを一つのグループにしたりしながら二人の間が少しずつ縮まっていく。
二人の間には実はとてもびっくりする秘密があって、2人ともそれを友人には黙っている。
作中何度も繰り返される呪文のような言葉。
”みんなで夜歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんな特別なんだろう。”
そう、本当にただ歩いているだけなのだ。
とても不思議な時間。
その時々に切り取られる一瞬がどのページにもあってみんな一緒に歩いているけれど、考えていることは別々で、だからなおさら普段口に出来ないこともするっと出てきてしまうそんなことの繰り返しがこの物語にはいっぱい詰まっている。
これはとてもよく出来た青春小説だ。
面白かった!
10代になったらすぐ読んで欲しいと思う。
いや、すでにそんな時期をはるか昔に終えていたとしても、ぜひぜひ手にとってちらりとでもいいから読んで欲しい作品だ。
あるシーンで融の親友である忍が言う。
物事にはタイミングがあってそれを逃すと後でものすごく後悔することになると。
その具体例として彼は、小学生のときに薦められた本をずいぶん後になって読んで後悔した話をする。
せめて10代の入り口で読んでいれば、確実に今の自分を作るための何かになっていたはずだと。
大体こんな感じだったと思う。
私はそこを読みながら深く何度もうなずいてしまった。
私が高校入学当時、「夜のピクニック」はまだこの世に生まれていなかったけれど、出来ればその頃に出会いたかった。
そうしたら確実に私の生活は変わっていただろうという確信がある。
忍の言葉を読みながら、珍しく非常に残念な気持ちになった。
私はあまり過去を後悔しないことにしている。
悔いても時間は戻ってこないことがわかっているからなのだけど、その代わり今このときから後悔しないように行動したいといつも思っている。「夜のピクニック」を読み終わって、私はまたそんな気持ちになった。
どこかのページにきっと自分と同じ気持ちを見つけられるはず。
「夜のピクニック」はそんな作品だ。
「夜のピクニック」
著者:恩田陸
出版社: 新潮社 (2006/09)
ASIN: 4101234175
「歩こう」
WORDS & MUSIC BY 鈴木康博、PLAY BY オフコース




コメント読んで本を読みたくなりました。
また根性で立ち読みするかな?
(いえ、買います、今度こそ。)
投稿情報: 黄色の道化師 | 2006-10-10 19:29
>黄色の道化師さん
立ち読みでいけるかも。
そのくらい文章は読みやすいです。
でも、座って読んだほうが疲れないと思うな~♪
投稿情報: 安井文@管理人 | 2006-10-12 14:05