この秋から冬にかけては、見たいと思っていた映画が続々公開になる。
特に11月は週ごとにタイトルが掛け変わるので今から心構えなんてしてみたり。
その中で一番最初に公開になったのが『出口のない海』だった。
今年は第二次世界大戦を扱った映画がかなり多く公開されている。
この映画もその一つだ。
すべてに興味があり見たいと思っているわけではないけど、この映画は地元で撮影が行われ、職場の同僚がエキストラ出演しているのでぜひ見たいと思っていた。
職場では、原作本の回し読みもされていて、私のところにも回ってきたのだけど、映画を見る前はできるだけ原作を読まないと決めていたので読まなかった。
とりあえずの感想としては、同僚の出演シーンは非常にわくわくしながら見れた。
でも、全体的なつくりとしてはなんとなく受け入れがたい気がした。
情報収集していたら、この映画のジャンルは"スペクタクル"になっていた。
そうか、戦争映画ではないのかと思うと多少は心のわだかまりも解けた。
『出口のない海』は回天の特攻隊員の実話をベースに製作された"物語"である。
回天というのは、第二次世界大戦末期、日本の敗戦が色濃くなった時期に開発された人間兵器の名前。
端的に表現するなら、人間が操縦する魚雷。人間魚雷である。
回天について興味が湧いた方は"回天"で検索を行うと詳しい解説ページを見つけることができる。
山口県周南市の大津島は、この回天の出撃基地だった。
今もその場所は保存されていて、その場所に繋がるトンネルには、実際に特攻した人たちの写真パネルがかけてある。
そんなわけで、この映画の撮影は山口県内で行われたのだ。
周南市観光協会のページから、回天記念館のサイトにリンクがある。
物語のテーマについては、これがもしも戦争映画という位置付けであるならば、納得がいかないものがある。
だけど、スペクタクル映画と銘打っているので割りきりたいと思う。
ラストで主人公が整備士の青年に「(日本が負けると分かっていて)なぜ回天に乗るのですか?」という問いに対して答えた内容が私には納得がいかなかったのだ。
見た後に確認したところ、原作にも同様のセリフがあるそうだ。
正しく覚えていないのだけど、「回天があったことを後世に伝えるために俺は死ぬ」というようなことを言っていた。
回天の訓練が映画の通りであるとするなら、あれだけの厳しい訓練を受け、特攻隊員として生き残ることさえも至難の業であり、彼らは非常に優秀な青年達だったといえると思う。
たくさんの人たちが細かい部品を磨き、組み立て、入念な整備を行っていた様子が出てくる。
たった一度の特攻のためにどれだけの思いが込められていたのかを考えると胸が熱くなった。
だから回天に不具合が起きて特攻出来なかった若者がそれを恥じ、行かせてくれと叫ぶ気持ちもわからなくもない。
彼らは、そういう人たちの気持ち全部を背負っていたのだ。
それほど優秀な人たちが、自分の大切な家族や愛する人を守るために海の藻屑として散っていったことを考えると目頭が熱くなった。
戦争の残酷さをひしひしと感じた。
そういう人たちが日本を守ってくれたおかげで自分が今ここにいることは忘れないようにしたいと強く思った。
自分の家族や愛する人を守るために戦った人たちのことを軍国主義で洗脳されていてしょうがなかったからだという言い方はしたくない。
そんな言い方をすると彼らには選択権がなく自己判断も出来なかったといっているのと同じだ。
失礼だ。
でも、私は国を守るために自分の命を捨てることを美しいとは思わない。
ただ、そんな決断をしなくてはならない状況は二度と起きて欲しくないし、起こしたくないと思うだけだ。
深刻な内容になってしまったけど、これが本当に正直な感想。
映画の中で主人公が学生時代にたむろっている喫茶店は私が子供の頃から営業している古いタイプの喫茶店で、叔父がたまたまモーニングを食べに行った時に撮影準備をしていたそうだ。
その叔父の家の近所には、映画の中で早稲田と明治が試合をする野球場となったグランドもある。
私は毎朝そのグランドの横を通って通勤しているのだけど、変なもので映画を見てからはなんとなくグランドを振り返ってしまう。
同僚は4人出演している。
1人はな、なんと主人公である市川海老蔵さんのすぐ後ろに立っていてもろ顔がわかる!
主人公達が回天の訓練基地に配属されて一番最初に整列するシーンがあるのだけど、その整列シーンをアップで舐めるところで同僚がドアップで写る。これは感動ものだったなあ。
あと、回天についての講義を教室で受けるシーンでもはっきりと写っている。
本人は多分記念にDVDを購入することだろう。
残りの3人はラストシーンで登場する。
私はその中のひとりしか分からなかったけど、同僚2人と見に行っていて残りの1人ずつをそれぞれが見つけたといっていた。
これもすぐわかる。
ラストシーンはほかの人たちは涙涙だったようで、でもその一番盛り上がっていた場面で見知った同僚がいつもの様子で写っている姿がとてもおかしくて・・・笑いをこらえるのに3人とも必死だったことを付け加えておこう。
CGがふんだんに使われていたけど、技術的にどうかなと思った。
合成画面はお粗末過ぎていただけなかったな。
竹内まりやさんが歌う主題歌は、とても印象的で詩の内容もメロディーもいいと思うのだけど、エンドテロップで流れるにはちょっと浮いていたと思う。
いや、でも本当にいい曲だと思うけどね。
実はちょっと期待していたので、かなり辛口の感想になってしまった。
『出口のない海』
ジャンル : スペクタクル
製作年 : 2006年
製作国 : 日本
配給 : 松竹
監督 : 佐々部清
原作 : 横山秀夫
脚本 : 山田洋次
出演 : 市川海老蔵、伊勢谷友介、上野樹里、塩谷瞬、柏原収史、伊崎充則、香川照之、古手川祐子、三浦友和
「返信」
WORDS & MUSIC & PLAY BY 竹内まりや




slanさん、お久しぶりです。
2週間ぶりにパソコンを開いてみると更新されていたので、早速書き込みさせていただきました。
すっかりリフレッシュされたようですね。
回天については、今年の春ごろ初めて知りました。特攻隊といえば飛行機しか思い至らなくて、人間魚雷(この言葉は、以前から知っていたような・・・)の存在に衝撃を受けました。
それは、新聞の日曜版で回天記念館が取り上げられていたのを見たわけで、それが山口県にあると書いてあったから私の目を引いたと思います。
slanさんとお知り合いになれて、山口県に興味を抱くようになり、山口県という言葉に敏感に反応します。いつか遊びに行けるといいのですが・・・。
投稿情報: ポコリン | 2006-10-16 00:46
>ポコリンさん
お久しぶりです^^
お元気そうで何より。
そちらはそろそろ冬支度なのではないですか?ストーブやコタツはもう日が入ったかしら。
回天=人間魚雷。
名前からは魚雷を思い浮かべにくいかもしれませんね。
私も突撃方法を知ったときには衝撃を受けました。
恥ずかしながら私自身は、まだ回天記念館に行ったことはありません。折を見て。。。とは思っているんですけどなかなか・・・。
山口県に興味を持っていただいてうれしいです。
こちらにお越しの際はぜひ連絡くださいね。
素敵な景色をたくさん押し付けちゃいます^^
投稿情報: 安井文@管理人 | 2006-10-24 23:43
>slanさん、こんにちは。
こちらは、朝晩ストーブを点けないではいられない寒さです。
今朝早くゴミ出しに行った時、車が冷凍庫に入れてたように、霜で真っ白になっていました。
昼過ぎには、雪虫も飛んで、まもなく雪が降ってくるでしょう。
ところで、明日から地上波で「ごめん、愛してる」が放送されます。でもBS日テレで途中からですが見ていました。
英語字幕の和訳は、途中で挫折しましたが、11話からの日本語字幕をパソコンに打っています。明日からは、私の和訳の添削ができるので楽しみです。
そちらには、今すぐ行くことができませんが、いつか必ず訪れたいと思っていますので、その時にはよろしくお願いしまーす。
投稿情報: ポコリン | 2006-10-25 22:23
>ポコリンさん
やっぱりもう寒いんですねえ^^;
雪虫飛んだんだ!(なんだか「蟲師」っぽいですね♪)
もうすぐ「ごめん、愛してる」の季節ですねえ。
本当に最近は飛ぶ鳥を落とす勢いというかなんというか・・・こんなにジソブ君がメジャーになるとは思ってもいなかった私はびっくりするばかりです^^;
今年は山口県、当たり年なのか?というくらいロケ作品がありました。
今年中にもう1本「長州ファイブ」ってのが公開されると思いますが、これは面白いですよ!
ぜひぜひ映画館に足を運んで欲しいなあ~♪
ポコリンさんが訪れる日を楽しみにしてます♪
投稿情報: 安井文@管理人 | 2006-10-31 12:41