最近映画を見てないなあ・・・と思っていたところ。
2週間前の金曜日にNHK-BS2で「ビューティフルマインド」を放送するということを新聞で見つけたので、時間も空いているしちょっと見てみることにした。
「ビューティフルマインド」は、実話に基づいて製作された映画でアカデミー賞も受賞した作品だと知っていたので、なんとなく映画館には行きそびれていた。
個人的な主観として、アカデミー賞を受賞する作品はあまりおもしろくないという思い込みがあったのが一番大きな理由。
それとCM予告で見た映像から、なんとなくこんな話だろうと思い込んでいた部分があって、敬遠してしまったのだ。
それでも何か気になっていて、見たいと思う気持ちもあったのでTVで放送するなら見ようかなという気持ちになった。
先入観は見事に打ち砕かれて、見終わった後、数日は呆然としてしまった。
そんなわけで、何か書いてやろうと思いながらもまとまらず2週間が過ぎてしまった。
私はこの映画、アメリカ軍に利用されてしまった数学者の話だと思い込んでいた。
ハリウッドが作るその手の映画にはうんざりだったので、この映画もなんか引っかかりながらも敬遠していたわけなんだけど、それはとんでもない思い違いだったことが物語の中盤で明らかになる。
やられた!
久し振りに素直にやられた!
私が思い込んでいた部分は全部主人公の妄想だった。
彼は精神分裂症を病んでいたのだ。
残りの半分は、数学の世界に返りたいと願う主人公の妄想との闘いが繰り広げられる。
最後に主人公はそれを克服し、ノーベル賞の授賞式に出ることができるのだ。
演出がすごいと思ったね。
途中まで見事に騙されていた。
本当のことを言っているのは、主人公か?彼の妻や友人なのか?
ぎりぎりまで分からない。
私はぎりぎりまで主人公を信じていたのだけど、見事に裏切られた!
ものすごくショックだった!
おかしな話かもしれないが、この映画を見た後に「ファイトクラブ」を思い出した。
エドワード・ノートンとブラット・ピットが主演のこの映画は主人公が多重人格。
異なる人格を2人の俳優が演じることで観客を騙している。
こちらもぎりぎりまでエドワード・ノートン=ブラット・ピットだと分からなかった。
「ファイトクラブ」は単なる娯楽映画だけど、多重人格を視覚的に表現してみせた演出がすごいと思ったので、きっと「ビューティフルマインド」と同じアプローチをしていると思ったんだろう。
どちらも精神疾患としては一般的に知られているもの。
それらを患者になったことのない人間に視覚的に見せたという意味では、ものすごい試みをしている作品だなと思うのだ。
少なくとも私は、「ビューティフルマインド」で精神分裂症の患者には何が辛いのかがなんとなく見えた。
主人公が自分で分裂症ということを自覚してから、妄想を飼いならしてゆく過程に涙が溢れた。
薬を飲んでいれば思考は曖昧になり、見えているものが現実か否かを受け入れる必要がなくなって楽になる。
そのかわり、自分の人生にも等しい数学についての思考も出来なくなってしまう。
懸命にその矛盾と戦う主人公を誰も手助けできない。
妄想を完全に振り払うことは出来ない。
彼にとって妄想は現実と同じくそこに存在するものだけど、しだいに距離をおくことができるものになって行く。
ラッセル・クロウの演じた実在の数学者の人生は、もっと複雑で映画ではきれいな部分だけが抽出されて表現されているけど、そうじゃない部分もたくさんあるようだ。
ハリウッド映画のこういう"きれいな部分だけ見せればいい"というようなところがあまり好きじゃないので、全体の物語については、感銘を受けることはなかった。
実在の人物の人生に名を借りた美しい話だなと思ったので。
ただ単純に精神分裂症という病気をあのように表現したロン・ハワード監督の力量に感服した。
それを演じきったラッセル・クロウはすごい俳優だ。
世間で言うところのすばらしい作品とは思わないが、機会があったら見て欲しいなと思う映画だった。
「ビューティフルマインド」
製作年 : 2001年
製作国 : アメリカ
配給 : UIP
監督 :ロン・ハワード
製作 :ブライアン・グレイザー / ロン・ハワード
製作総指揮 :カレン・ケーラ / Todd Hollowell トッド・ハロウェル
原作 :シルヴィア・ネイサー
脚本 :アキヴァ・ゴールドマン
キャスト :ラッセル・クロウ、エド・ハリス、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマー、ポール・ベタニー 他
「ワン・ハート、ワン・マインド」




slanさん、お久しぶりです。
精神分裂症とは、ちょっと違うお話です。
話の趣旨がずれて申し訳ないのですが、先日、高校の同期会に出席してきました。
同期といっても4クラス180人しかいなくて、全員の名前と顔を覚えていたはずなのに、受付に立った時、会場を間違えたのではと思うほど衝撃を受けてしまいました。受付に立っている人、待っている人に覚えがないのです。
卒業してから、4半世紀。自分がまるで記憶喪失者になった気分でした。
名前を聞いて、過去の記憶をたどりよせるんだけど、その人との関係がわからなくて、私とあなたはそんなに親しかったの?とか、見知った顔の人に、私を覚えていないと言われたらどうしようとか・・・。
まるで迷子になったような、頼りない気分になった訳です。
紅顔の美少年だった男子も、今は、ただのおじさんで、私も、ポコリンと思われたことと思います。
投稿情報: ポコリン | 2006-03-03 12:31
>ポコリンさん
お久し振りです^^
180人全員覚えてたんですか!
すごいな~@0@
私は人を覚えるのが苦手なので、ポコリンさん以上にこういった催しではびくびくしております。
ポコリンさん、4半世紀も経てば記憶喪失も許してもらえるのでは・・・^^;
私は社会人になるまでの友人に会うのが一時辛かった時期がありました。
彼らはその頃彼らが持っていた私のイメージでしか見ないので、その頃の自分は思い出すとすごくいやな人間だったので、それを思い出すのがいやだったんでしょうね。
今はどうかなあ・・・?
紅顔の美少年のその後はあまり遭遇したくないですよねえ。
思い出は美しいままにしておきたい・・・ですよね^^;
投稿情報: 安井文@管理人 | 2006-03-06 17:36
>slanさん、こんにちは。
人の記憶は、時間がたつほど曖昧になっていくけれど、
楽しかった思い出は、より美化され、
いやな思い出は、棘のように残っていきますね。
開きたくない思い出の箱は、無理に開ける必要はないです。
だから私も、中学時代のクラス会には行きません。
というか、もう行方不明者になっていることと思うけど・・・。
それよりも、今日から北海道では「ただいま恋愛中」というドラマが始まりました。
wowowで見ている「ローファーム」のジソブ様は、とてもキュートだけれど、
今度はどんなジソブ様が見られるのか、楽しみです!!
投稿情報: ポコリン | 2006-03-08 11:52
>ポコリンさん
"様"なんてつけちゃうと遠い世界の人みたいです~^^;
"君"でいいですよ、"君"で(と、さりげなく自己主張)
彼ほど身近に感じる俳優もなかなかいませんから、この距離感を楽しみたい私です。
ほんとう、おっしゃる通りいやな思い出って何でなくならないのか。
もしかしたら、同じことを繰り返さないために忘れられないのかもしれません。
棘のように刺さった思い出が抜け落ちる時、もしかしたら一つ壁を越えられるのかも・・・なんて思ったりします。
ところで!「ただいま恋愛中」が北海道で放送とは!
すごいです~@0@
びっくりしてちょっと調べてみましたが、他のところではまだ放送されないみたいなので、ポコリンさんすごいラッキーですよ!
「ただいま恋愛中」のギュイン@ジソブ君はファンの間でもかなり人気のあるキャラクターです。
HTBの紹介にもあるように"真面目で田舎モノの純朴青年"なジソブ君はとっても素敵!
めろめろになること請け合い!
ポコリンさんの感想が楽しみです^^
投稿情報: 安井文@管理人 | 2006-03-08 15:42