「緑茶夢」の話を書いたら、やっぱり読みたくなってしまった。
「おんなのこ物語」
読んですぐコラムにしようと思ったんだけど、読むのに時間がかかってしまった。
なんてったって大作ですから。
売り切れですが、画像を発見。
こんな絵なんですわ。
「緑茶夢」(スランシリーズとも言う)はバンドがまとまっていく過程を描いた話だったが、「おんなのこ物語」はその逆でバンドが崩壊してゆく過程を描いた作品である。
当時のことを語った森脇さんの語録から察するにスランを描いている最中にステッカーのイメージが湧いたのではないかなあ。
そう、登場するのはSTICKER(ステッカー)というバンド。
会社経営をしている父親のおかげで金に困ったことがなく、その上性格が才能と称されるマルチプレイヤー中尾仁(ギター、ボーカル)を中心に、仲尾の子供の頃からの親友である桑田(ギター)、SLAN(スラン)のマネージャーとなる水野礼二(ベース、彼は作詞も担当。)、
そしてこの物語の主人公である八角京介(ドラムス)の4人で編成されている。
こんな男ばっかりのバンドものなのになぜ「おんなのこ物語」なのかは・・・。
長くなるので別の機会に^^;
ステッカーはとにかく金のかかったバンドである。
その出所は全部仲尾で、高い練習スタジオを借り、ライブだって名の知れたところを選んで出演。
仲尾の顔の広さも手伝って、ステッカーは知る人ぞ知るロックバンドだ。
ところが、バンドメンバーの仲はかなり微妙。
なぜなら、ことあるごとに自己中心的でバンドも自分の感覚で思い通りにしてしまう仲尾となんでもすぐに議論したがりちょっと"評論家"よりになりつつある桑田が衝突するからだ。
水野はその2人をいつも冷ややかに傍観していて、年上の2人に対してもあまりお行儀がいいとはいえない態度を取る。
八角はそんな3人に疎外感を感じつつひたすらバンドの未来を心配している。
スランシリーズの中にもステッカーの話が出てくる。
メンバーそれぞれもチョコチョコ顔を出している。
ただし、それぞれのキャラクター設定は、こちらの作品とは違っている。
スランシリーズの八角は、おちゃらけた軽い男だがステッカーの八角はナイーブで純粋な少年だ。
仲尾は、スランシリーズでは主人公の安部弘の天敵とも言うべき悪役で登場する。
水野はそのままで、桑田は多少世間なれした感じのキャラクターになっている。
バンドものなんだけど、難しい音楽論は一切ない。
(むしろ、そういうものには意味がないという森脇真末味さんの気持ちが出ているような気がする。)
どちらかというとバンドを素材にした青春群像といった感が強い。
どのキャラクターにも人生があるんだというのが匂ってくる。
そうは言っても、森脇さんは相当音楽がロックがお好きなんだと思う。
とにかくライブシーンのメンバーそれぞれの動きの描写がすばらしいのだ。
これは、絵に過ぎないと分かっているのにライブシーンに入ると、自然に心拍数が上がりライブを体験しているような錯覚にとらわれる。
(それとも、自分が体験したことがあるから思い出すのかな。)
そして、今、自分の中にある一番ぴったりな音楽が流れ始めるのだ。
主人公の八角は優しくてお人よしで、すぐに人に利用されてしまう。
自分でもわかっていて、そうされることで傷ついてしまうにもかかわらず同じことを繰り返してしまう。
そのためちょっと自閉的。
そんな八角を引っ張ってくれるのが尚子。
彼女は八角に片思いをしていて一生懸命彼の気を引こうとする。
その努力(?)が好をそうして最後には八角と晴れて恋人同士に。
そして、「おんなのこ物語」のタイトルはやっと意味をなすのであった^^;
ステッカーが結果的に解散するきっかけになってしまうのは、八角が生まれてはじめて作曲した曲を仲尾に聴かせたことだった。
その曲は後に仲尾が「インピーダンス」と名づけ、ステッカー解散後ソノシート(!)として八角の手元に戻ってくる。
マルチプレーヤー仲尾が手をつけられない(アレンジできない)完成された曲ってどんな曲なんだろうね。
※今回も蛇足※
復刊ドットコムという既に廃刊になっている書籍の再販交渉をしているサイトで森脇真末味作品についても復刊活動をしているので、ぜひ覗いてみて欲しい。
『森脇真末味』 復刊特集ページ
「インピーダンス」
MUSIC BY 八角京介 、PLAY BY STICKER(ARRENGED BY 仲尾仁)





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