真保裕一著「奇蹟の人」を読んだ。
久し振りにぐいぐいと読んでしまう小説だった。
読み始めてなんだか知ってるような気がしてインターネットで調べてみた。
数年前に日本テレビでドラマ化されていた。
主演は山崎まさよし。
そういえば、私も最初見ていたのだった。
でも、キャスティングが好きになれなくて結局最後まで見られなかった。
なんとなく、最後は辛い方向へいったというようなことを誰かから聞いたことも思い出した。
ちょっと脱線だけど。
この小説がドラマ化されたのは日本テレビで、月曜日の22時枠のものだった。
どうしても視聴率が取れなくて、結局ドキュメンタリー枠になってしまった。
ちなみにこの枠で放送されていたドラマで私が見たものは・・・。(順不同)
「永遠の仔」(原作:天童荒太、出演:渡部篤朗、中谷美紀、椎名桔平)
「天国への階段」(原作:白川道、出演:佐藤浩市 他)
「Pure Soul ~君が僕を忘れても~」(原作:鎌田敏夫、出演:永作博美、緒方直人)
「14ヵ月~妻が子供に還っていく~」 (原作:市川たくじ『separation』、出演:高岡早紀、中村俊介、酒井若菜、戸田恵子、石黒賢)
この枠のドラマは秀作ぞろいだった。
非常に残念。
そうそう。
このドラマ枠をきっかけに天童荒太作品を読むようになったんだけど、真保裕一氏の文体は天童氏に似ているような気がした。
多分、1文1文がとてもシンプルに表現されているからだと思う。
天童荒太作品についてはまたの機会に。
前半部分は、読みながら「アルジャーノンに花束を」を思い出した。
なんとなく物語の前半部分がアルジャーノンの主人公を思い出させたんだと思う。
脳死寸前までいった主人公が、記憶はおろか生まれてそれまで得た知識をすべて忘れた状態で生還し、やっと中学生レベルの知識を取り戻したところから話は始まる。
彼の面倒を見てくれた母はすでに病魔に倒れて亡くなっており、彼も30歳になったので自力で生活することになる。
幼児からやり直しをした主人公は、真面目で、冷静で、物静かな人物。
まだ少し世間慣れをしていないので、自分に対する他者の評価を言葉どおりにしか受け入れられず、融通を利かせて行動することができない。彼は見た目が30歳の男性で、”普通”に暮らす大人たちから見れば、得体の知れない異邦人なのだということを彼は理解できていない。
そんな彼が、生活に慣れるうちに自分の過去をどうしても知りたくなる。
なぜか、彼の母親は彼の過去に通じるすべての痕跡をたくみに消し去っているのだ。
彼は頭がよく、直感に優れているので、それがなぜなのか気になり始まる。
そして、固執し始めるのだ。
後半は過去への執着のせいで彼本来の性質が表に出始め、さまざまな出来事が起こり始める。
でも、彼にはただ、過去を思い出したいという気持ちしかない。
知ったからといって何がしたいというわけでもなかった。
これでもかというほど、後半は主人公が過去にこだわる。
あまりにも固執しすぎるがため、読んでいて苦痛を感じたりもした。
なぜ、彼はそこまでして過去を知りたがったのだろう。
結局、愛の力だったのかな・・・と。
そうでなければ、前半と後半のバランスが取れない。
でも、こういうタイプの小説でも愛の力を使っちゃうのか^^;
終わり方もなんとなく「アルジャーノンに花束を」を思い出した。
物語の展開がよく似ていると思う。
なんともいえない余韻を残す作品だ。
読んでいる最中にドラマのことを思い出して、山崎まさよし君が主人公だったのも思い出したんだけど。
私の中では、主人公はソ・ジソブ君でした^^;
こういう難しい役やってほしい!
これ、韓国で映画化できないでしょうかねえ。
でも・・・。
韓国で映画化したらホラーになっちゃうかなあ~^^;
著者:真保裕一
文庫: 574 p
出版社: 新潮社
ISBN: 4101270228 ; (2000/01)
「ぼくはここにいる」
WORDS & MUSIC & PLAY BY 山崎まさよし



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